カカフカカ 第10話
あらすじ
「好きな人がいたことがない」発言にショックを受けた。
「好きな人がいたことがない」発言にショックを受けた自分にショックを受けた。
中学時代実は本行は自分のことが本気で好きだったから、小説に書いたり、自分にだけ反応するんだろうと都合良く思い描いていた自分がショックだった。
これまでもうっかり何かに期待しては外れる度、自分の値札が安いものに貼りかえられていくかんじがしていた。そして今は最安値を更新中ーーーー。
そんな痛々しい考えにとらわれている亜希は、あかりから長谷と結婚することをほんとうにいいと思っているのか聞かれます。亜希はまだ承諾したわけではないといいつつ、住人たちと比べて底辺である自分を引きうけてくれるのはありがたい話だ、と自虐トークに走りますが、あかりに気分がわるいからやめてとぴしゃりと止められます。
亜希はあかりに値札の話をしてみると「自意識過剰」と一刀両断されます。そして。
「そもそも高いも安いも 買わないモノの値札に興味ないから」
カカフカカ3巻 p18
あかりの言葉で頭の中が整理された亜希。本行からの要望にすんなりと添い寝に臨みます。
感想
またもや卑屈の森に逃げ込もうとした亜希を救ったのは意外なことに、あかりでした。第10話はあかりの名言オンパレードです。
自虐トークって相手の「そんなことないよ」待ちだったり、そうじゃなくて本気でそう思い込んでる亜希みたいなパターンもあるけれど、いずれにしろぶつけられたほうはめんどくさい。解決策を求めず、投げっぱなしというか、受ける方はこれどうせいっちゅーんじゃみたいなことになりがち。
それを「だから大丈夫よ 寺田さん」「わざわざ低く見せなくても大抵の人は寺田さんの値札とか興味ないから」「で興味ある人は値段交渉可能だから」と亜希の出した値札のたとえで超わかりやすく、しかも親身になって相談に乗ってくれるとか、あかりスゲーと思いました。
で、出した亜希の結論が「そもそも本行から見た私には 値札なんかついてなかったのかも」ここまではいい。「オマケのおもちゃや駅でもらうティッシュのように」でズコーってなりました。自信がなさすぎるにもほどがある。大抵の人は、ただでもらっていいものかどうかの判断くらいはつくと思います。そしてそもそも支払いの機会を与えてないような気もする。
まあ、ともかくタダで配ったから受け取っただけ。過去のことはそう納得し、必要というのなら添い寝もしましょう、その先をしたいのならばそれもどうぞ、少なくとも自分はいやではないし、添い寝自体にはいくばくかの心地よさを感じているのです、ということになったようです。
本行さんちょっとうろたえてます。そりゃあそうだ。
でも、「もう少し 本行にさわってほしいような気は するから」で覚悟を決めた?
亜希には無条件で頭をナデナデしてくれるひとが必要だと思う。今のところそれが一番できそうなのがあかりっていうのが問題だけど…。